日本歯科医師会と厚生労働省は、80歳になっても20本以上自分の歯を保つということを目標にした、「8020運動」を提唱しています。
歯が20本以上ある人は、ほぼ何でも食べられますが、歯が5本以下の場合には、柔らかい物しか食べられないということがわかっています。歯を失う原因は、ほとんどが、「むし歯」と「歯周病」です。
むし歯予防と歯周病予防が、とても大切
いつまでも自分の歯でおいしいく食べることができ、充実した食生活、楽しい会話を実現するなど、生涯にわたって、満足度の高い生活を送るためには、むし歯予防と歯周病予防が、とても大切になってきます。
1.むし歯発生のメカニズム
お口にいるむし歯の原因菌(ミュータンス菌など)が糖を取り込み、不溶性グルカン(歯垢のもと)をつくります。不溶性グルカンにむし歯の原因菌がどんどん集まり、歯垢を形成します。
むし歯の原因菌が糖からむし歯の原因となる酸をつくり、歯を溶かします。
2.むし歯の発生しやすい部位
ハブラシが届きにくいからむし歯が発生しやすいエナメル質からのむし歯
咬合面う蝕
歯のかむ面にできるむし歯。この部分は深い溝が多く、ハブラシの毛先が届きにくいため、むし歯が発生しやすくなります。
隣接面う蝕
歯と歯の間にできるむし歯。ハブラシだけでは磨き残しが多いためむし歯が発生しやすくなります。
エナメル質よりやわらかいから進行が早い象牙質のむし歯
根面う蝕
歯周病などにより歯ぐきが下がることで露出した歯の根(象牙質)のむし歯。
二次う蝕
一度治療をしたつめ物のすき間にできるむし歯。つめ物と歯のすき間には歯垢がたまりやすいので要注意です。
3.むし歯はどうすれば予防できるの?
むし歯は3つの要因、(1)プラーク(歯垢)、(2)糖分(砂糖)、(3)歯質に(4)時間が重なった時発生します。
4.フッ素のはたらき
フッ素は歯質を強化し、むし歯の原因菌への抵抗性を高めてくれます。
1)歯質の強化
フッ素が歯のエナメル質や象牙質に取り込まれて、強い結晶構造をつくることで、歯を強くします。
2)再石灰化作用の促進
フッ素がむし歯になりかかった部分に取り込まれ、歯の回復(再石灰化)を助けます。
3)ミュータンス菌の抑制
フッ素の抗菌力により、むし歯の原因菌のひとつであるミュータンス菌の働きを抑えてくれます。
5.フッ素は天然にもあります
フッ素は自然界に広く分布している元素の1つで、地球上のどこにでもあります。海の水、川の水、土の中にもあり、あらゆる食べ物や、人の身体にも含まれています。私達は、食べ物から1日約1~3mgのフッ素をとっています。
6.フッ化物はどのように応用されているの?
フッ化物は、生えて間もない歯ほど効果的です。永久歯は4~5歳から生え始めるので、保育所・幼稚園からフッ化物洗口を始め、15歳頃まで続けるのが理想的です。
7.ライフステージごとのフッ化物の利用は?
サンスター 「自分の歯は自分で守る!セルフケアのポイント」より引用
愛媛県「フッ化物洗口のしおり」より引用
愛媛県では、「愛媛県歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づき「愛媛県歯科保健推進計画」を策定し、計画のスローガンである「元気歯つらつ愛顔のえひめ!」の実現を目指して歯と口腔の健康づくりを推進しています。