本当は怖い声の変化

声の変化と口腔乾燥症を考える

「たけしの本当は怖い家庭の医学」で紹介された「本当は怖い声の変化」に関心のある方へ

2009年11月4日に放映された「たけしの本当は怖い家庭の医学」の「声帯を守る正しい行動チェック」では、テノールの貴公子と呼ばれる秋川雅史さんが、どうやって「声帯」を健康に保っているかという秘訣が紹介されていました。特に冬の時期、秋川さんが何より気を付けているのが乾燥対策だったそうです。

番組ホームページには、この乾燥対策について「レストランに入る時は空調の風がどちらに向いているかを調べた上で、席を決め、空気が乾燥しているホテルでは加湿器を入れてもらい、枕元に軽く絞った濡れタオルを置いたりする」などと書かれており、日常の様々な場面で細かく気をつけている様子がうかがえます。

起床時に声を出すと声帯に負担

番組に出演していた耳鼻科の医師は「起床時には声帯が乾燥しているので、いきなり声を出すと声帯に負担がかかる」と説明しています。起床時の口腔の乾燥は誰もが経験していますね。ただ、多くの場合は風邪や鼻づまりの時だけで、正常な状態では口腔内は起床時でもある程度は潤っています。

ところが口腔乾燥症あるいはドライマウスと呼ばれる状態では、起床時にいつも口腔内が乾燥しているので、当然声帯やのども乾燥しています。

重要なのは乾燥対策

多くの専門家が声帯の健康維持に最も重要なのは「乾燥対策」であると言っています。声帯は乾いていると、振動で傷ついてしまい、声が枯れてきます。そういうことを抑える意味でも、声帯の健康維持には口腔内の乾燥対策がもっとも重要なようです。

では、いつものようにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で「ドライマウスの原因」を調べてみると、

唾液の分泌低下には様々な原因があり、加齢、ストレス、唾液腺障害、食習慣、喫煙、全身疾患の症状、薬剤の副作用などがあげられるが、心身的な問題については歯科心身症に分類されるべきであるとの意見もある。

声が枯れて来た場合、まず耳鼻咽喉科にかかるのが普通だと思います。

しかし、最近ではドライマウスや口腔乾燥の自覚症状がある場合には、診断の中心的な役割を果たすのは口腔のスペシャリストである歯科医であると言われています。

日本歯科医師会のホームページに掲載されている「歯とお口のこのなら何でもわかる テーマパーク8020」によれば、

歯科医院では問診・触診のほか、口腔内診査や唾液量検査などを用いて複合する病因を特定していきます。次に糖尿病や更年期障害、薬の副作用など、複数の原因に対してさまざまな治療法を組み合わせ、その要素をひとつずつ取り除いていくことになります、とのことです。